医療の発展は、うまくいかない「原因」を解決していくことで発展してきました。
例えば、悪性腫瘍でしたら、腫瘍を取り除く、抗がん剤や放射線でがん細胞を減少させるなどといった、「原因」をなくしていくことで病気を治してきました。
例えば、医療安全という分野だと、インシデントを起こす「原因」を探してその対応策を見出すことで、安全な医療を患者様に提供してきました。
その医療業界の中で過ごしてきた医療者は、「原因」を探してそれを解決するという考え方、アドラー心理学でいう「原因論」の世界で生きています。
「原因」を探すことは、問題を解決する中ではとても重要です。
しかし、問題を解決する=幸せになる、は決して成り立たない数式になります。
というのも、例えば医療者の方がミスをしたときを考えてください。
「原因」というのは、いらないところやダメな所、ないほうがよいものです。それを全て排除したとしても、ダメなところがない、という状態の医療者が出来上がるだけです。
そのような医療者を増やしていって、本当に皆が幸せになる社会ができるんでしょうか?
私達は大事にしたいのは、「こうなりたい」という理想の姿です。
ダメなところがあってもいい。「原因」がそのままでもなんでもいい。大事なのは、ダメでも「原因」があっても、「こうなりたい」という理想の姿に自分がなっていることだと考えています。
そして、私達の行動すべてに「目的」があり、そこに向かって生きている。そう考えるのが「目的論」という考え方です。
この「目的論」という考え方が広まれば、原因究明して個人を攻撃する形ではなく、皆で理想の姿に向けて何をすればよいか、何をすればもっといい形になるのか、そんなことが建設的に行われる社会になっていくはずです。
その「目的論」の考え方を日本中に広めることができれば、日本の医療業界は変わるんじゃないか?
その理想の姿を真剣に目指していく。それを形にしたものが、私達、日本メディカルコーチコミュニケーター協会です。
「こうなりたい」という理想の姿のために、まずは医療者の「やりたい」を実現させ、それを互いに応援しあえる風土。それを作っていきたいと考えています。
代表メッセージ
私は、大学病院で働く看護師でした。
心臓外科、ICU、精神科、脳神経外科とたくさんの部署で働きながら、管理職に昇進し人材育成、業務改善、チームビルディングなどに尽力してきました。
一応、病院からは評価されていましたし、業務改善やチームビルディングに関しては一定の成果は残してこれたと思います。
けれど、私自身、まだ「役に立てていない」とずっと思ってきたんです。
私が指導していた後輩は、ある出来事が原因で仕事をするのがつらくなってしまったんです。その時、認知行動療法やカウンセリングについて学んでいましたが、私は何もできず、後輩は休職していきました。
私のことが好きだと言ってくれた患者さんの女の子。彼女の夢を応援していた私でしたが、退院した数か月後、彼女は自分で命を絶ってしまいました。私は彼女が気軽に頼れる存在ではなかったんです。
管理職になってからも、上司から理不尽な扱いを受けてやめていった同僚や、スタッフ達から受け入れられずに自信を失ってしまった後輩、現場を変えたいと思っているけど自身のコミュニケーションを変えることができずに苦しんでいた先輩……。
たくさんの人が、自分らしくいられず苦しんでいるのを見てきました。それに対して無力だった私は、何かできないのか。それを模索し続けていたんです。
その一つの答えが、コミュニケーションでありコーチングでした。
私自身のコミュニケーションを変え、コーチング的なかかわりをすることで、仕事もプライベートも、良い方向に大きく舵をとることができたんです。
私は、もう苦しんで生きている後輩や、あの女の子のような人を見たくないと思ったんです。そう思って、このコーチング考え方を、私の人生を変えてくれたアドラー心理学をもとにしたコーチングを日本中に広めたいと思いました。
それがもしできたら……あの後輩も、女の子も、もしかしたら違う結末になったのかもしれない。そんな未来を描くためにこの協会を立ち上げました。
ぜひ、皆でそんな社会を作っていきませんか?
私一人ではできません。あなたの力を私に貸していただき、一緒に皆がやりたいを実現できる、そんな社会をつくっていきませんか??
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秋元伸平
【経歴】
2008年
東大病院に入職。心臓外科、ICU、精神科、脳神経外科を経験。その後、管理 職に昇進する。
2022年
東大病院を退職し、日本メディカルコーチコミュニケーター協会を設立。代表理事に就任する。
現在、
株式会社ウィ・キャン様のオープンセミナー講師
株式会社イグアス様のトレーナー を兼任している
【出版」
ICNR、月間ナーシングにてJMCCAの活動が掲載
【他社様との取引】
えそら訪問看護ステーション様にて認定セミナーを実施
infirmiere(アンファミエ)様でのコラム執筆
アナザーヒストリー様でのコラム執筆
ほか
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